思いこんだら(巨人編) その3


私ってば、本当に巨人ファン???
そう疑いつつも、抜け出せないアリ地獄を形成するのが、

巨人ファンが関西で生息するのは結構キツイ!!

という現状である。

一時、六甲おろしが吹き荒ぶ土地にすんでいたことがあった。
なーぜか、クラスの子の半数ほどが「阪神の下敷き(六甲下ろしの歌詞付き)」と「キャプテン翼(テレビ大阪の宣伝用っぽい)の下敷き」を持っているのである(2枚組のように‥)。
転校して間もない私は、戦慄を覚え、こっそーりと密や〜かに巨人ファンを続けた。
こうなると、半ば意地も手伝って、隠れキリシタンのように、殉教者の道をひた走るしかない(そうか?)。

反対に、小学生時代、野球に興味もなく、この周囲の状況に無防備だった弟は、親に巨人の野球帽をかぶせられ、すっかりグレて(?)、高校の頃、アンチ巨人に寝返った。

知らなかったとはいえ、「巨人帽」を長期にわたりかぶり続けていたのが、奴の汚点らしい(坊主だったので帽子は必須)。
その為、反動は激しく、阪神の「のれん」を部屋の入り口にかけ、テレビに巨人が出ると「負けろー」と騒ぐ。
そして、「いい加減、巨人やめたら‥」と私をも引き込もうとする。
その割には、当初「六甲おろし」が歌えず、私に教わるしかなかった‥というところが哀れを誘う‥。

そして‥‥ 更に哀れ度アップな事実が判明した。
関東出身の両親は、当然「巨人ファン」‥そう何となく思っていたのに、実は、父は阪神ファンだったのである!(← 弟に「巨人帽」を強制していた張本人なのにっ‥)

父はもともと野球の「や」の字も知らない人間で、自分が理解できないから‥という理由で、私達家族は長らく野球を見せてもらえなかった。
それが、最近の大リーグブームで宗旨替えをしたらしい。
そして、いつのまにやら「なんとなく阪神ファン」(周囲に流されたな‥)。
(ちなみに、母は、どれか選べといわれれば、巨人かな?‥という程度)

子供は坊主でよい‥という勝手な理屈で、坊主&帽子を強要する父。
なーんも考えず、適当に帽子を選ぶ母。このゴールデンコンビの活躍により‥
弟は「○○くん = 巨人帽のイメージ!」と、周囲に言わしめるまでに成長したのである。

‥‥というわけで、

弟 「なーんーで! よりにもよって『 巨人(帽)! 』やねーーん!!(怒)」
母 「えー? 何となくぅ〜? けど、嫌がってなかったじゃな〜い?」
弟 「知らんかっただけじゃーー!!」(←巨人だの阪神だの、球団自体)
母 「じゃぁ、別にいいじゃな〜い♪」のほ〜ん。
弟 「うがーーー!!」

不毛な会話は、今日も繰り返されている‥‥。


いっそ戻ってくるか、弟よ‥(フフフ)



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