GGF(ぐれいと ぐらんど ふぁーざー) その1


幼い頃、心の師匠だったのは、父方の爺様。
その威風堂々たるオーラは天下一品。
ところかまわず大放屁しても、ジジイなのを良いことにお姉ちゃんのお尻をタッチしても、私の畏敬の念は変わらない(幼稚園児だと思って油断してたらアカンのじゃ、ワシは見てるのじゃ)。

ある時、スーパーの前を爺様と一緒に歩いていると、突然、爺様が、ふい…と道の脇に歩み寄り、何を思ったか、その辺に置いてある自転車の一台を、むんずと掴んで頭上に高く差し上げた……。
何が起こったのか解らず、私がぽけーっと見上げていると、やおら爺様はその自転車を、他の放置自転車達の上に、ガシャーン!!と叩き付けたのである(どんだけパワフルやねん!)。

爺様は「こんな所に置いたら迷惑だろうが!」と言い捨てると、私に振り返り、

「ね?」

と呟き、何事もなかったように私の手を引いて歩き始めた……。


じ…じいちゃんが正しいに違いない!(→すでに小心者の園児)



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