正月



正月といえば思い出す‥‥。

小4の私は、2度目のおたふく風邪にかかり(なんでやー!!)、皆が楽しそうにお節料理をつついている部屋から隔離されて、一人カルピスをすすっていた‥‥。

誰も相手にしてくれないので、(何を思ったのか?)観音開きのタンスを開けたら、扉がはずれた。

 ふおっ!??

扉は一瞬の滞空時間の後、ゆら〜りとこちらに向かい、びっくりして顔を上げた私の鼻頭を直撃。マジに、目の前が白くはじけた。(火花が散る‥って表現を生み出した人に座布団あげたいよ)

一人、のたうち回る私。
しばらくして、少し落ち着くと、隣の部屋から、笑い声が‥。
新春番組か何かを見ているに違いない。

 気付いてもくれないなんて、冷たい奴らじゃ‥。

だけど、ちょっぴり悲しいこの気持ちを解ってもらいたい。
慰めの言葉を期待して、「扉がはずれ顔面直撃」の悲劇を訴える私。

鼻をやられると、人間、涙が止まらんようである。
まず、顔を押さえて、よろよろ出ていった私の姿に笑い声が起こった。
 何? その反応?? ‥と思いつつ、ふすまを開けて、はずれた扉を示すと、家族そろって大爆笑‥!!(驚けよ!)

「バッカやのう〜!! ギャッハッハ‥」

お笑い芸人ならば、最高の賛辞かもしれないが、私はいたいけな小学生〜!!
泣くことも怒ること出来ず、とぼとぼ布団に逆戻りし、「いて〜よ〜」と寂しくカルピスをすするのであった‥。



くそぅ‥ もっと強くなってやるぅ!(←新年の誓い)



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