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▼ ナルキッソス

 あんたちょっと危ないよ‥ 第1弾。


 ”ナルシスト”とは、美し〜い自分が好きで好きでたまらない、ちょっとイッてる方達のこと。
 その語源となったのが、このナルキッソス。

 彼を見た女達はみな失神してしまうという凄まじい美貌の持ち主で、その為、自惚れにますます拍車がかかり、ついには「私より美しい女なんていないさ〜」という結論に落ち着く。
 その上、彼を慕う女達にことごとく冷たくあたった為、しまいには呪われて(おいおい)、決して報いられない相手に恋をすることになる。

 その相手はなんと、泉に映った自分自身の姿‥。
 彼は日がな一日、「ねえお願いだからこっちに来ておくれよ‥」「ああなんて美しいんだ君の笑顔はハニー」なんて言ってたかどうかは知らないが、自分の姿を水の精だと思いこみ、来る日も来る日も寝食を忘れ語り続け、ついには痩せ衰えて御昇天あそばされた。

 が、死したはずの彼の姿はどこにもなく、その場所には、ただ美しい花が一輪、泉を覗き込むようにして咲いていたという。
 そして、今もその花‥水仙は、ナルキッソスと呼ばれている。


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