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▼ ミダス

 王様の耳はロバの耳〜


 ミダスは王様。それも黄金が好き好き大好き。自分以外の者が黄金を持っているのなんて耐えられないくらい好き。
 そんなミダスに罰を与えるべく現れた、太陽の神アポロン(※1)。「自分の触れるものを全て黄金に変えてほしい‥」というミダスの願いを叶えてやる。
 しかし、ミダスはすぐに過ちに気付いた。パンも飲み物も自分が触れた瞬間に黄金に変わってしまうため、何も食べられないのだ。その上、誤って愛娘まで黄金に変えてしまった。
 後悔するミダス。アポロンは全てを元に戻してやるが、「愚か者のお前には、愚かな動物であるロバの耳が相応しい」とミダスの耳をロバの耳に変えてしまった(おお、力わざ ※2)。

 そしてここからは、有名な「王様の耳はロバの耳」のお話。王様の耳の秘密を知ってしまった床屋は、他言を禁じられたが、我慢できず、穴を掘って、その中に王の秘密を囁いた(ああストレス発散‥)。
 しかし、近くに生えていた葦がそれを聞いていて、風が吹くたびに「ミダスの耳はロバの耳〜」と言いふらすもんだから、結局国中に知られてしまった(ミステリー‥)。
 床屋を罰しようとしたミダスだったが、アポロンが自分を許してくれたことを思い出し、秘密を漏らした床屋を許してやることに‥。
 アポロンは、慈悲の心を知ったミダスの耳を元に戻してやったという。
 そんなこんなで(?)、金儲けの上手い人のことを「Midas touch(マイダス・タッチ)」というらしい。

 ※1 酒の神ディオニュソスのバージョンもあり‥。
  (こちらは罰ではなく、御礼として願いを聞いている)

 ※2 別バージョン。
 黄金事件以来、富を嫌って、自由気ままな牧神パーンの信者となったミダス(わかりやすい人や)。
 パーンとアポロンが音楽の腕比べをしたとき、アポロン優勢の判定にミダスだけがケチをつけた為、アポロンの怒りを買って「そんな耳、ロバの耳になっちまえ〜い」と罰を受けてしまった。


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