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▼ アトラス

 気は優しくて、力持ちっ!


 ティターン(巨人族)の勇者。
 ゼウスらオリュムポスの神々が、父であるクロノスとそれを支えるティターン達を倒すべく立ち上がったとき、クロノス側で獅子奮迅の大活躍をしたのがこのアトラス。
 結局、クロノスが破れ、ティターン達は地の底に幽閉されたのだが、並はずれた巨躯と怪力の持ち主であるアトラスだけは特別メニューで、世界の西の果てに立って天空をたえず支え続けるという、とっても重〜い罰を受けたのだった。

 アトラスは勇猛果敢な戦士でありながら、家では愛妻家の心優しきパパでもあった。子だくさんな彼には、プレアデス(7人)、ヒュアデス(7人)、カリュプソーら多くの娘達がおり、特にヘスペリデスと呼ばれる3人の娘達は父親想いで、世界の西の果てに追いやられた父に最後まで付き従った。

 ヘスペリデスは、アトラスの陰に植えられた黄金のリンゴの木の番人をつとめていたのだが、ある時、このリンゴを求めて英雄ヘラクレース(※1)がやってくる。
 ヘラクレースは娘達の父親であるアトラスならば、簡単にリンゴをとってこられるだろうと考え、しばらくの間、アトラスに代わって天を支えることとなった。
 つかのまの開放感〜♪を噛みしめるアトラス。彼はリンゴを得た後、もとに戻るのを渋ったが、「じゃぁ、楽な かつぎ方の見本みせてよ‥」とヘラクレースにあっさりダマされ、再び苦行な日々に突入したのであった(正直者め‥)。

 しかし、ヘスペリデスの孝行はここからが本番。
 彼女たちは、以前、姿を見た者を全て石に変える怪物メドゥーサを倒しに来たペルセウス(※2)という若者を手助けしたことがあった。
 その恩を忘れなかったペルセウスは、怪物の首をアトラスに見せたのである(石化フラ〜ッシュ!)。
 石に変わったアトラスは巨大な山となり、苦しみから解放された後も、相変わらず天を支え続けているという‥。

 この「天」いっぺん ひっくり返したろか〜なんて思わなかった、ジェントルなアトラス‥。
 「地図」を「アトラス」と呼ぶのは、昔の地図に天を支える彼の姿が描かれていたからだという‥。


 ※1 12の難業をこなしたことで有名な勇者ヘラクレース。今回の「ヘスペリデスの園のリンゴ奪取」は、その11番目の難業。ヘラクレースについてはいずれ、また〜。

 ※2 メドゥーサを倒したことで有名なペルセウスについても、そのうち〜♪


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