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▼ イカロス

 言うこと聞きなさ〜〜い!(怒)


 世界初(!?)自力で空を飛んだ少年。名工ダイダロス(※1)の息子。

 イカロスの父ダイダロスは、一度入ったら二度とは出られない恐怖の迷宮(ラビュリントス)を作った凄腕の名工。しかし、仕えていた王の怒りを買い、自らその迷宮に閉じこめられてしまう(まぬけ… ※2)。
 その時、「父ちゃんが行くなら僕も!」とけなげに付き従ったのが、このイカロス。

 この国は島国。たとえ迷宮を抜け出せたとしても、周囲の海を越えねば逃げきれない(船なんかじゃ、すぐに発見・捕獲されるのがオチ)。
 しかし、イカロスは能天気に……
「あの鳥みたいに飛んで逃げようよ! 父ちゃんなら、翼を作るなんて簡単でしょ? なんたって、天才だもんね!! キラキラ(期待の瞳)」
「ふっ、天才とな?」
 おだてに乗ったダイダロスに、不可能の文字はない。彼は鳥の羽を拾い集めて、糸で止め、蝋(ろう)で固めると、巨大な翼(人間用)を完成させたのだった(やっぱ天才)。

 そして、いよいよ両腕に翼を装着し、脱出〜〜!!
 その時、ダイダロスはイカロスにしつこいくらいに言い聞かせた。
「いいか、空の中ほどを飛ぶんだ! あんまり低いと水しぶきがかかって、翼が重くなってしまう。反対に高すぎると、太陽の熱で、羽を固めている蝋(ろう)が熔けてしまうからな…」

 しかーーし、初飛行に心躍るイカロスは、初めのうちこそ、父の後ろを必死で追いかけていたものの、すぐに慣れると、言いつけを忘れ、
「うっわー、すんげー! 太陽、近っけー!」と、夢中になって上へ上へと舞い上がって行ってしまった。
 お約束通り、太陽の熱で溶けだす蝋…(どんだけ暑いねん! ※3)。
 なのに、オトボケくんのイカロスは、「あっちー。なんだか汗いっぱいかいちゃった〜」などと、緊急事態に全く気付かず、翼はそのまま空中分解……。
 真っ逆さまに海へと落ちていったとな……。(※4)

 つまるところ、大人の言うことはちゃんと聞かんとね、という教訓話でありました?(あれ??)。

 
 ※1 詳しくはダイダロスの回参照〜!

 ※2 高い塔に閉じこめられた説もあり。詳しくは、いずれミノス王の回で〜!   

 ※3 上空にて……
    神「うおっ、なんや、人間飛んで来おるぞ! ワシへの挑戦かっ?? 太陽光線照射! 灼き尽くせファイアー!!」
    と、イカロスを神の領域に迫ってくるクーデター野郎と勘違いして、怒って蝋を溶かすバージョンもあり。 

 ※4 イカロスが墜落した海はイーカリア海と名付けられた。

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