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▼ パシパエ

 「神さまのモラルを問う会」名誉顧問


 クレタ島の王妃。牛の化け物ミノタウロスの母。
 旦那であるミノス王の回などでも、たびたび御登場のパシパエ。
 彼女は自慢しても「まーしゃーないわな」レベルの美女だったのだが、おかかえ名工ダイダロス(お気に入り ※1)とのおしゃべり中、ちょーいと調子に乗ってしまったらしい。神々なんて空想上の産物ですわっ…とぶちかましたあげく…(現代っ子ねぇ。ちなみに彼女の旦那ってゼウスの息子なんだけど… ※2)。

パ「特に、アフロディテなんて信じられませんわ! 皆も年がら年中、恋だの愛だの、どーかしてるんじゃありませんこと?」
ダ「王妃、お…お声が高うございます(神様は地獄耳なんすから)」
パ「オホホ、いやですわぁ、ダイちゃんったら。ところで、わたくし、アフロディテなんかより、ず〜〜っと美しいと思いませんこと? ねっ、ねっ?」

 ふ〜〜ん?(^ー^#) プ…チッ…
 ……というわけで、愛と美の女神アフロディテと海神ポセイドン(※3 ちょうど旦那であるミノス王にムカついていた)の「おしおきだべ〜」夢のタッグが実現したのである!

 すっかり、お馴染みとなった復讐パターン。アフロディテ「恋ってステキ」大作戦!
 今回の、パシパエのお相手は…… なんと「牛」!?
 牛っすよ牛!? いつもステーキにしてた相手っすよ?
 しかし、ポセイドンが送り込んだビューティフォーな白い牡牛に、パシパエはすっかりフォーリンラヴ(はぅ… ※4)。

 狂いそうなほどの恋心。耐えきれなくなったパシパエは、ダイダロスに助けを求めたのである。
パ「なんとか出来るのは、世界で一番賢いダイちゃんだけですわ〜〜 号泣」
ダ「え? 世界一?」えへ
 おだてられりゃぁ不可能を可能にする男・ダイダロス。彼は、中が空洞になった牝牛の「かぶりもの」を作ると、その中にパシパエを入れ、見事、恋を成就させてやったのである(見事ちゃうちゃう)。

 しか〜し、危険な情事なあとは、おぞまし〜い結末が……。
 妊娠した王妃が産んだ赤ん坊は、なんと牛の頭を持っていたのである。
 ミノス王はこの醜聞を隠すため、パシパエとその子・怪物ミノタウロスを、二度とは出られない迷宮(ラビリントス)に幽閉した。
 以降、クレタ名物ラビリントスからは、人間を食事代わりにする怪物の雄叫びと、気の狂ったパシパエの悲鳴が漏れ聞こえたという。


 ※1 ダイダロスの回参照〜!

 ※2 パシパエは太陽神ヘリオスの血統…と言われている。
    もとはアフロディテを信奉していたけれど、「王妃様キレイ〜」と周囲に言われまくり「私が一番ビューティフォー♪」モードになったとか…。そして、信仰心も薄れ、アフロディテの神殿は荒れ放題。これが女神の怒りを買った…なんて説もある。

 ※3 ポセイドンに捧げる約束だった牛をパクった。詳しくは、ミノスの回参照ー!

 ※4 牛は、ゼウスが送り込んだ…ってな説もあるらしいです。

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