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(前回のお話。※ ギガンテスの回の続きです)
 怪物だろうがなんだろうが、我が子が可愛い大地母神ガイア。
 クロノス(息子)とゼウス(孫)が天界の王の座を巡って争った時には、ゼウスに味方したものの、ゼウスがクロノスらティターン神族を地の底に幽閉したことを知るや、大激怒!
 ゼウスを懲らしめるべく、ガイアは巨大な怪物達…ギガンテスをけしかけたのだった!
 しかし、ギガンテス軍は、あえなく敗退。意外とやるのね、オリュムポスの神々〜!

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▼ テュポーン

 嵐を呼ぶ男!!?


 可愛い息子達(ティターン神族)を地の底に幽閉したゼウスを懲らしめるべく、巨大な怪物・ギガンテスを放った大地母神ガイア。しかし、この「お仕置きだべ〜!」作戦はあえなく失敗。
 リベンジに燃えるガイアの次なる作戦は、なんと……!

 子供を産む…!!?

 ガイアはゼウスを倒すために、あろうことか冥界タルタロスと交わって、最強無敵の可愛いベイベー(!?)「テュポーン」を誕生させたのである!!

 このテュポーン、頑張って産んだかいあって(?)見事なまでにデンジャラス!
 その姿は、肩から百の竜が生えた人型(どこが)の上半身に、下半身はとぐろを巻く大蛇。そして、全身を鳥のような羽がおおい、目からは炎が吹き出している(見えるのか?)。
 その上、デカさも超弩級で、背丈は天に届くほど、両手を広げると、片方の手は東の果てに、もう片方の手は西の果てに届いたという…(やりすぎ!)。

 この化け物が、オリュムポスの神々を倒すべく、ブンブン石を投げながら、突然ゴジラのように現れたのである。
 そら、神様だって逃げるわな……(汗)

 ビビったオリュムポスの神々は、野を越え、山越え、海まで越えて、エジプトまで緊急避難。それでも追いかけてくるので、動物に変身して身を隠したとな…(さすがに格好悪いかも ※1)。

 しかし、やられてばかりはいられない。
 ゼウスはただ一人、金剛の鎌を持ち、雷を放って、テュポーンに立ち向かう!(どうしたんだ、格好エエぞー!?)

 一度はこてんぱんに負けて、武器を奪われ、手足の腱を切り取られてしまったゼウスだったが、泥棒の神ヘルメスが腱を盗み返してくれたおかげで、なんとか復活!
 一方のテュポーンは、女神に騙されて、弱っち〜くなる実を食べたとか…で大幅パワーダウン(あらら)。
 今がチャンスだ再戦だ! てなわけで、結局、イタリアまで追いつめられたテュポーンは、ゼウスの投げた山に押しつぶされ、身動きがとれなくなって、ジ・エンド。
 しかし、不死身のテュポーンは、今でも山の下で暴れているらしく、体から吹き出す火炎はシチリア島のエトナ山を噴火させ、吐き出す息は台風になるのだという(で、テュポーンはタイフーンの語源になったとな〜)。


 ※1 逃げる際に変身した動物の姿が、後に記念として天に上げられ「山羊座」や「魚座」となった。
    詳しくは「山羊座」「魚座」の回参照〜!



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