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▼ スキュラ & カリュブディス

 みーんなお手上げ、海の大食いレディーズ♪


 海の危険スポットととして、航海もののお話に、やたらと顔を出すのがこの御二方!(その割に印象は薄い ←私見)

 スキュラは、上半身は人間の乙女だが、下半身(もしくは肩や脇)から六つの犬の頭を生やし、十二本の足を持っている……という海の怪物(六つの頭を持った蛇に似た怪物…だとも)。
 その六つの頭を伸ばし、一度に六人の船乗りを襲って喰らう。

 一方のカリュブディスは、大量の海水を飲み込んだり、吐き出したりする怪物で(姿が今ひとつわからないのよね… ーー;)、こいつの生み出す大渦に巻き込まれた船は一巻の終わりとなる。

 でもって、このお二人、仲良く(?)海峡を挟んだそれぞれの岸に棲んでいる為、海峡を通る者は、どちらの岸にも近づかぬよう真ん中を通らねばならない(コースはずれりゃ即餌食〜 ※1)。
 スキュラは岩礁、カリュブディスは渦潮を象徴している…らしいのだが、それだけに退治のしようもなく、ここを通る幾多の英雄達も、神の御加護を受けて通過するのが精一杯。

 そーんな、はた迷惑なこの怪物達、以前はそろって美しい乙女だったというから、また驚き!

 まずは、カリュブディス。
 彼女は大地母神ガイアと海神ポセイドンの娘で、チャームポイントは「大食い♪」。
 いつでもハラヘリヘリハラな彼女は、ある大切な牛を盗んで食べてしまった為、ゼウスの怒りにふれ、稲妻を受けて海に落ち、怪物になったんだそーな(なんやそら… ※2)。

 次に、スキュラ(※3)。
 彼女の不幸は、「恋は盲目」馬鹿が周囲にいたことから始まる……。

 ある日、美しいスキュラに、一人の海神が一目惚れ!(※4)
 しかし、全く相手にされずに、即・撃沈。
 ところが、諦めない海神は、キルケーという魔女(美女)のもとへ行き、
「スキュラが俺に恋をするよう、薬を作ってくれー!!」と頼み込んだのである(はい、「恋馬鹿」一人目〜)。

 ところがここで意外な展開……!
 なんと、今度はその魔女が海神に一目惚れしてしまったのである。
 なんとか海神を口説こうとする魔女。
 しかし、海神は「俺の心は、スキュラちゃん一人のものなのさっ!」と魔女の求愛を突っぱねる。
 すると、魔女は激怒し、「スキュラがなんだってのよー!!」と、怒りの矛先を罪のないスキュラへと向けたのだった!(このへんがギリ神ちっく。……だって愛しい殿方を憎むなんて出来ないんですもの〜)
 早速、恋敵のスキュラが水浴に利用する入り江に向かうと、特別調合の魔法の薬(つーか毒薬)を水中に投入し、呪文を唱える魔女(はい、「恋馬鹿」二人目〜)。

 そして、スキュラがいつも通り水浴びを始めると……
 突如、吠え立てる怪獣や蛇の群れが、スキュラを取り囲むように出現したではないか!
 悲鳴を上げ、必死で逃げようとするスキュラ……。
 ところが、いくら逃げても逃げても、怪物達は常にぴったりと彼女の傍にいる。
 そして、彼女は気付いた…… そう、その怪物達は彼女自身の体から生えていたのである…!
 やがて、その姿の通り…心まで怪物となったスキュラは、哀れな船乗り達をむさぼり食うことが楽しみとなった……。

 つーか、ヤケ食いだっちゅーの!!!(by モンスター二匹)



 ※1 棲処はシシリア海のメッシーナ海峡という所らしい。

 ※2 ヘラクレスが十二の試練の十番目「ゲリュオネスの牡牛の捕獲!」を成し遂げるために、とっ捕まえた牛らしい。

 ※3 スキュラは、海のニンフ達のお気に入りの人間、もしくは、海のニンフとする説(両親はテュポーン&エキドナ夫妻説等々……)、ゴルゴンの姉妹だという説もあるらしい。

    また、スキュラは最後、石に変えられたとも言われている…。
 
 ※3 海のように青い髪を持つ海神グラウコス。
    もとは人間の漁師だったが、河や海の神々に仲間として迎え入れられ、その際、見た目も人魚(♂)型に変身〜!
    スキュラは彼を見て怪獣と勘違いして逃げたらしいが、魔女の方は「青く輝く美しい御方♪」とうっとりしたようだから不思議……(^^;)



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