〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

▼ ティテュオス

 大〜きくなれよ〜〜!!(※ 懐かしのCM)


 冥界の深部であるタルタロスへ落とされた巨人(※1)。
 主神ゼウスと人間の乙女・エラレの息子。

 始まりは、いつも浮気から――。
 ってことで、今回の話も、スケベ主神・ゼウスが、名家の末娘であるエラレちゃんに目を付けた所から始まる。
 無垢な乙女が大好物のロリコン主神は、美しい青年に姿を変えて、エラレの心をあっさりGET! エラレは、恋人の正体がゼウスである…なんてことは露とも知らずに身ごもってしまったのである(詐欺やん)。

 そして、いつもならこの辺りでゼウスの浮気がバレて、本妻のヘラによる愛人イジメが始まるのだが、今回は事情が違った。
 隔世遺伝か何なのか? エラレの身ごもった赤ちゃんには巨人の要素が備わっていたらしい。
 胎児・ティテュオスの成長はすさまじく、ついには母親であるエラレの腹を破るほどに巨大化してしまったのである(哀れ、エラレは御昇天〜。むごい…)。

 それを知ったゼウスは、「母ちゃん(ヘラ)に、バレるやないか〜!!」と慌てて、胎児であるティテュオスを大地の中に隠した。
 そして、ティテュオスは大地に育まれて、ぐんぐん成長し、数ヶ月後には、無事に地上に誕生〜!!
 ……したのであるが、その後もティテュオスの成長は止まらず、結局、その巨大さゆえに、ヘラに存在がバレてしまった。

「またしても、浮気の子ー!?」と、ブチ切れるヘラ女神。
 そう、ちょうどその頃、ゼウスの浮気相手であるレトー女神(太陽神アポロンと月の女神アルテミスの母)の出産が近づいてきており、ヘラのイライラはピークに達していたのである(※2)。

「ゼウスの浮気相手も、その子供も抹殺よ〜〜!!」

 怒りに燃えるヘラは恐ろしい策略を思いついた。
 なんと、ティテュオスに欲情を吹き込み、レトー女神を襲わせようと企んだのである!

 ヘラに操られるまま、欲情にかられ、レトー女神に襲いかかるティテュオス。
 ところが、間一髪。なんと、胎児であるアポロンとアルテミスの二神が、レトーの胎内から矢を放ってティテュオスを射殺し、母親を救ったのである。
 別説では、ティテュオスは矢に射られて正気に返ったのだ…ともいうが、もちろん、そんな生易しい幕引きで、ヘラが納得するはずがない。
「神を冒涜するのは最も大きな罪である(←レトーを襲ったこと)」と、まくし立て、ゼウスは結局その言葉に逆らえず、雷を落として、息子であるティテュオスを殺さねばならなかった……(策士だわ、ヘラ…)。

 さておき、浮かばれないのが、巨人・ティテュオス。
 死した後も、女神を襲った犯罪者として、冥界の深部にあるタルタロス(要は地獄)に落とされ、ハゲタカに内蔵をついばまれる…という罰を受けるハメになってしまったのである。
 その上、彼の内蔵は一晩で回復してしまうため、この罰は終わることなく永遠に繰り返されるらしい……。

 出る杭は打たれると言うけれど、デカイからって、そんなに打たんでエエやん〜!
 つーか、薄幸すぎるぞこの親子……(合掌)
(ギリ神の、巨人って、やっぱ目の敵にされてるよ〜な… ^^;) 


 ※1 彼はとくにでっかい方で、体を草原に横たえると、9エーカー(36.420平方メートル)を覆った…そうです。
    1エーカー = 約1,200坪 = サッカーグラウンド1つ分に相当するとか…。
    つーことは、グラウンド9つ分……?

 ※2 レトーの回参照〜!


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
EXIT